[あれ? 車ってどうやって乗るんだっけ?]
はいはい^^ 車に乗るには、足から乗ります。なあんだ、って思ったそこのあなた。
これ、教習所に行くと、意外と緊張してできないんですよ^^; 頭から突っ込んで乗り込もうとしたりしてね。はい、では続きね。
運転席(右側)に乗るときは、まずハンドルになんとなく左手を(右手はドアを持っておく)かけながら左足を車の中にいれ、お尻をすとんと座席に下ろして座ってしまいます(この時点では右足はまだ車のお外です)。
それからゆっくり右足を車の中におさめます。
おさめる前にドア閉めちゃダメよ、足怪我しちゃいますから。
そんなバカなと思ったあなた。
いや現場に遭遇した私でさえも目を疑ったのですもん、無理もありませんが、本当にやらかすもんなんですよ。
でもみんな結構いろいろやってくれますから、恥ずかしくなんかないですからね^^
たとえなにかやらかしても指導員は慣れてますからたいていのことは平気平気^^(フォローになってないって (^^; )。
ごくごくオーソドックスなフォームのとり方をお話ししましょう。
こうすると自分の背中がしっかり固定されます。
シートの調整には、大体次の2つがあります。
AT車は、右足でブレーキペダルを一番深く踏んでも、ひ ざにちょっと余裕があるぐらいの位置。どうです?MT車は、左足でクラッチペダルを一番深く踏んでも、 ひざにちょっと余裕があるぐらいの位置。
ハンドルの3時の位置(時計に見立てて考えてね^^)に右手をのせて(のせるのよ、 つかむじゃないですからね)、そのまま肘を支点に逆時計回りに(上に)手をすべらせていって 9時の位置までもってきます。肘を支点にしたのは、脇がひらいたり肘がそりかえったりしない ようにするためです。大丈夫かな?9時の位置に右手をもってきたときに、右手の親指が床を 指し、脇がひらいてなければOKです。このときの肘の角度が大体90度(直角)になるように、背もたれの角度を合わせます。
シート調整をすっとばして最初にシートベルトしちゃう人もいるけど、シート調節しづらくなるのでこれは却下。
一般的に採用されている3点式シートベルトのしかたについてのお話です。
ドライバーズ・シートの右うしろ、少し上にシートベルトの金具(タングプレート)があるので、まず右手でそれを自分の前に引っ張ってきます。
タングプレートを離すとしゅるしゅるっと巻き込むのを確認しておいてください、最近の車のシートベルトはたいてい自動的に巻きこむようになっています。
タングプレートを左胸の前あたりまで持ってきたら、左手に持ち替え、右手でベルトにゆるみをつくりながら(でないと上に引っ張られちゃってベルトを引き出せないです)左腰のあたりまで持ってきて、タングプレートの受け口(バックル)にカチッと音がするまで押し込みます。
シートベルトは、右肩から左の腰骨の位置にかかるようにセットします。
首にかかると苦しいので、気をつけてくださいね。
また、腰骨の位置にかかるようにするのは、もしやわらかいおなかにかかるようにしてしまうと、万一の衝撃のとき、内蔵への影響が大きく非常に危険だからです。
ペダルの踏み方って、ペダル操作のこと?
いえいえ違います、ここでは純粋に、踏み方のみのお話をします。
ペダルは右から、アクセル・ペダル、ブレーキ・ペダル、クラッチ・ペダルとなってます。
さて、右足で操作するのはどれで、左足で操作するのはどれでしょう?
何へんな質問するなって? いやすみませんね。でもおとなしく答えてね。
はい、そうね、右足はアクセル・ペダルとブレーキ・ペダルを、左足はクラッチ・ペダルを操作します。
おわかりでしょうか? 右足は1本の足で2つのペダル操作を担当していてかなり忙しい足なんですね。
だから、運転中に右足を床に下ろしてゆっくりやすめてる、という図はあり得ません。
必ず、アクセル・ペダルかブレーキ・ペダルの、どちらかを操作しているか、構えているのです。
それに対して、左足は1本の足で1つのペダル操作(クラッチ・ペダルのことね)だけなので、比較的ひまなのですね。
ですから、左足は、使わないときは床かフットレスト(かまぼこ板みたいなものがクラッチ・ペダルの左の床にあれば、それのことです)におろしてゆっくりさせといて下さい。
アクセル・ペダルを見ると縦に細長い形をしています。
このペダルのちょうど真ん中のあたりに右足のつま先があたるように、かかとの位置を床に設定します。
かかとを支点にして、アクセル・ペダルを踏んだり離したりします。
従って、かかとは基本的に床につけたままです。
この、かかとの位置設定ってけっこう大事なので、もう少し細かく書きますね。
かかとの位置が前すぎると(ペダルに近すぎると)、足の裏全体でペダルをベッタリ踏みがちになり、繊細なペダル操作ができなくなります。
逆にペダルから遠すぎると、踏むこと自体満足にできません。
どうでしょうか、かかとの位置設定、できましたか?
そうしたら、そのときの右足のひざの角度の感じをよく覚えておきましょう。
このひざの角度の感じが、アクセル・ペダルの位置を覚えるのに役に立ちます。
突然ですが、あなたはハードボイルド映画の主人公です。
あなたは今たばこを吸っています。
その吸い殻を足元に捨て(たばこのポイ捨てに関する論議は別の問題にして下さいね)、右足でギュッと踏んで火を消した。
ストーップ。
はい、今あなたは足の裏のどこで吸い殻を踏みましたか?
つま先?かかと?土踏まず?(踏めるか? (^^; )
多分、足のゆびの付け根よりも、少しかかと寄りの辺り(一番こんもりしているところ)で踏んだのではないでしょうか?
そうですね(^^; ハードボイルドがわかりにくければ、女性ならばハイヒールを履いたときに一番体重がかかっているところのことだと言えばおわかりでしょうか?
ブレーキ・ペダルは、まさにその部分でギュウゥーー、と踏み込みます。
もう少し具体的に言うと、右足を、ハイヒール履いているような形にしてみて下さい(何センチヒールかはお好みですが、あまり高くない方が良いでしょう。ぉ)。
で、その形のまんまブレーキ・ペダルの中央辺りにさっきの部分をあてがって、ひざの力で踏み込んでいく(踏む、ではなく踏み込むですよ)のです。
ブレーキ・ペダルを踏むときの足のフォームはこれで覚えてください。
当然、かかとは床につきません。
ここでお気づきと思いますが、アクセル・ペダル操作時とブレーキ・ペダル操作時では、右足の高さが全然違いますね。
で、アクセル・ペダルとブレーキ・ペダルの互いの位置関係について、よく、教える人が「左右の間隔をよく覚えて」と言いますが、実はそうではなくて、足の高さの違いで位置関係を把握した方が覚えやすいのです。
クラッチ・ペダルはスパッと一気に床まで踏みます。
理由は「発進」の項で明らかにしますが、とにかく何の迷いもなく、一瞬で床まで踏むようにして下さい。
踏み込んだらここで試しにその踏み込んだままにしておくのは、かなり力が要りますね。
これはクラッチ・ペダルにばねが効いているからなのです。
これ、よく覚えておいて下さいね。
さて、クラッチ・ペダルの上げ方です。
いま踏み込んでいるその左足の形のまま、左ひざを上に上げていきます。
そうしておいて、左足の裏はクラッチ・ペダルのばねの力を抑えながら、ひざで段々ペダルを上げていきます。
このときのばねの力のかんじをつかんでおいて下さいね。
シフト・レバーというのは、ドライバーズ・シートの左側にある、棒のようなやつです。
これを動かしてギアをチョイスします。
ギアについてはあとで簡単に説明しますね(^^)
この動かし方について。
シフト・レバーの先に、1とか2とか、Nとか書いてありますね。
これはそれぞれギアの名前に対応しています。
シフト・レバーは、クラッチ・ペダルを踏んで操作します。
で、レバーの動かし方から。
シフト・レバーを動かすときは、レバーを上からつかんではいけない。
絶対につかまないでくださいよ。
レバーは、左手の「てのひら」で動かします。
左足でクラッチ・ペダルをスパッと踏み、シフト・レバーを手のひらで左右に押してみてください。
左に動かすためにはレバーの右側に、右に動かすときはレバーの左側に手のひらをあてがい、押します。
くどいようですが、上からつかまないでくださいよ、よくやっちゃうんですけどね。
手を離してみると、レバーは真ん中のニュートラルの位置に勝手に来るようにできてます。
このことをよく覚えていてください。
さて、ではギアを入れてみましょう。
シフト・レバーを動かしてギアをチョイスすることを、「入れる」と言います。
ステアリング・ホイールってなに?
いわゆるハンドルのことです。
ハンドルは、正しくは「ステアリング・ホイール」と言います。
ここでは、省略してステアリングと呼ぶことにしますね。
ステアリングの役割は何かというと、車の舵取りです。
ステアリングが右に回転すると、車の前輪は右に向いていき、ステアリングが左に回転すると、前輪は左に向いていきます。
ステアリングに連動して前輪が動くのだということを覚えていてください。
で、ステアリングとタイヤが連動しているということは、本来車が止まっているとき、トン単位の物体の重量がタイヤにどーんとかかっているので、ステアリングを動かすことはほとんど無理なんですね。
でも、最近の車はパワーステアリングといって、車の速度に関係なくステアリングを楽々動かせるようなシステムが標準装備されているし、教習車もパワステ装備が殆どなので、安心してね。
さて、ではステアリングの操作方法についていきますよ。
まず、左手をステアリングの9時の位置に、右手を3時の位置に置きます。
つかまないで、置く、というか手をのっけてみてね。
ステアリングをつかんでいると、肘が突っ張って脇が広がり、しがみついているような格好になります。
格好悪いだけならともかく、これでは絶対にフレックスなステアリング・アクションができないので、つかんだりしないよう気をつけてね。
はい、続けましょう。
では、左手の手のひらでステアリングを前方に押してみてごらん。
ステアリングは右に回転し始めたでしょう?
はい、じゃ今度は右手の手のひらでステアリングを前方に押してみると、、、
そう、ステアリングは左に回転し始めてますね。
ステアリングは、この特性を生かして動かします。
今、手のひらを「パー」状態にしていると思いますが、しばらくそのまま練習してみますね。
エンジンは、エンジン・キーを回してかけます。
このエンジン始動を、なぜだかチョンチョンと小刻みにする人がいるのですが、あれはやめてください。
エンジンをかけるとき、バッテリーに結構な負担をかけている。
チョンチョンと何回もやっていると、それだけでバッテリーが死んでしまうこともある。
だから、エンジンを始動するときは、大胆に、落ち着いてキーを回しましょう。
実際にエンジンをかけるときは、
右足でブレーキ・ペダルをしっかり踏んでおき、左足でクラッチ・ペダルをいっぱいに踏んで、ギアをニュートラルにしておいて、
キーを右に「START」まで回します。
すると「ギュイギュイ」という、セルモーターの回転する音がし、エンジンが「ブルンッ」と目を覚まします。
その直後に「ブルブルンッ」と車体が振動したのを確かめてから、右手のキーを離します。
すると、キーは自動的に「ON」の位置にきます。