[ウィンカーの操作方法]

ステアリングの左右にレバーが出ているでしょう?
右側のレバーが、方向指示器(ウィンカー)です。
左側のレバーは、ワイパーを操作するレバーです。
あ、でもたま〜に、右ハンドルでも左側がウィンカー、右側がワイパーという車がありますが、それは外車ですね。
ウィンカーは、ステアリングを保持している右手の指をのばして、レバーを上下に押してやります。
ウィンカーを出すためにわざわざステアリングから右手を離す必要はないよ。
右手だけ見ると鉄道マンの「指差し確認」にちょっと似ているかな(^^;

ウィンカーのレバーを下方向に「カチッ」と押すと、車体の右側の方向指示器が「チッカ、チッカ」と点滅し始めます。
逆に上方向に「カチッ」と押すと、車体の左側の方向指示器が同じように「チッカ、チッカ」と点滅し始めます。

さて、ではちょっと以下の通りにやってみてください。
まず右のウィンカーを出してください。
そのままステアリングを右に1回転してみてください。
よく耳をすますとステアリングを動かすたびに「カチ、カチ」といっているでしょう?
まだ右ウィンカーは出てますね?
はい、ステアリングを戻してください。
すると、右ウィンカーは消えたでしょう?
左も同じだから試してみてごらん。

このことを覚えていてね。

はい、また似たようなことをしてみますね。以下の通りにやってみてください。
まず右ウィンカーを出してください。
そのままステアリングをほんの少しだけ右に動かしてみてください。
少しだけの回転だと、さっきの「カチ、カチ」は鳴ってませんね?
まだ右ウィンカーは出てますね?
はい、ステアリングを戻してください。
すると今度は右ウィンカーは消えませんね?
左も同じだから試してみてね。

このように、ウィンカーはステアリングの操作量によって、自動的に消えたり消えなかったりするのです。

まあ、ウィンカーに関してはこんなもんです。





[さあいよいよはっはっはっ発進だあ、っととその前に]

各ペダルの役割について確認しておきましょう。

アクセル・ペダル
アクセル・ペダルを踏んだり離したりしてみてください。
音を聞いてみよう。
踏んだり離したりに連動して、エンジン音が変わるでしょう?
では前のメーター類を見てみましょう。
アクセル・ペダルの動きに連動して針が動くメーターがあるでしょう?
このメーターはタコ・メーターといって、エンジンの回転数を表しています。
メーターのところに「x1000rpm」と表示してあるでしょう。
これは、1分間に何回転しているか、という意味です。
もうおわかりですね。
アクセル・ペダルは、エンジンの回転数をコントロールするペダルです。

ちなみにアクセル・ペダルをまったく踏んでないときのエンジンの状態を「アイドリング」といい、普通は5〜700rpmくらいです。

私が指導員していたときの話ですが、各ペダルの役割についての話をしているときに、「アクセル・ペダルを踏むとどうなる?」と訊くと、ほとんどの人が「スピードが上がる」と答えるのですが、これは正確な答えではありません。
アクセル・ペダルを踏むと、エンジンの回転数が上がる。
これをよく覚えていてください。
ブレーキ・ペダル
ブレーキ・ペダルの役割って?
ブレーキ・ペダルを踏むと、タイヤの回転を抑えます。
ブレーキ・ペダルを踏むと、車が止まると思っている人が多いのですが、これ違います。
ブレーキ・ペダルを踏むと、タイヤの回転を抑制します。
ブレーキ・ペダルを強く踏めば強く抑えるし、弱く踏めば弱く抑える。
また、急に踏めば急に抑えるし、ゆっくり踏めばゆっくり抑える。
意味がわかるかな?
ブレーキ・ペダルを、スイッチみたいに、踏めばブレーキが効くと思っている人がこれまた多いのですが、これも間違いだということです。
ブレーキ・ペダルの足の感触でタイヤの回転を抑えていくのです。
またまた私が指導員していたときの話ですが、「ブレーキ・ペダルを踏むとどうなる?」と訊くと、「エンジンの回転数が下がる」と答える人が多かった。
これも違うからね。
嘘だと思うなら、エンジン始動後、ブレーキ・ペダルを踏んだり離したりしてごらん?
ブレーキ・ペダルの操作によってエンジンの回転数変わったりしないでしょ?
ブレーキ・ペダルはタイヤの回転数をコントロールする。
これをよく覚えていてください。

さて、ここで車を動かすとはどういうことをいうのか、って考えてみると、、、、
車が動くためには、タイヤが回転しないとだめってことはわかりますね?
さて、エンジン始動後、車ってものを見回したときに、回転してるものって何かというと、エンジンですね?
つまり、車を動かすためには、エンジンの回転をタイヤに伝達して、タイヤを回転させなくてはならないんだよね。
ここまでいいかな?
わからないところない?
なければ続けますよ。
じゃあ、その、「エンジンの回転をタイヤに伝達する」っての、一体誰がやってんの?ってことですね。
それが、

クラッチ・ペダルなんだな。
クラッチ・ペダルを完全に踏んだ状態で、エンジンとタイヤは切り離されている。
逆に、クラッチ・ペダルが踏まれていない状態では、エンジンとタイヤはつながっています。
以上各ペダルの役割、よーく覚えていてね。





[発進するときのポイントは2つだけ]

発進のときってさあ、なーんか、あの、「エンスト」ってやつ?
あれ、やなんだよね〜。
は〜、て思っちゃう。
想像するだけで、教習所行きたくなくなっちゃうんだよね、、、、、(-_-;

な〜んて思ってるそこのあなた。
だーいじょうぶだって。
別にいいじゃん、エンストしても。
エンストしたくらいではんこくれない指導員はいないから。

もしいたらそいつはろくなやつじゃないから、教官指名制度のある教習所だったら、即そいつは指名リストからはずしましょう。

そりゃ1時限中ずーっとエンストしまくって少しも走ることができなかったってんなら話は別だけど、エンストなんて怖くない怖くない。
なんせベテラン・ドライバーだってエンストくらいするんだから。
あえてベテランと初心者の違いを言うなら、エンストしたときに「ああエンストしちゃったよ。よっと(←エンジンをかけ直している)。ほんじゃま、行きまひょか。ほれほれ(ここまで言うやつはいない(^^; )」てなくらいにしか考えないのがベテランなんだけど、「うわあああああ、エンストしちゃったよぉぉぉぉ。どどどどどおしよおおおおおおおおお。どないしたらええのーーーーーーっ」と人生の一大事みたいにパニくるのが初心者ですね。
わかった?
別にエンストなんてどってことないのよ。

こんだけエンストエンストって言えばエンストにも馴れただろう(ぉぃぉぃ(^^; )
ちなみに、エンストはエンジン・ストールの略だからね。
エンジン・ストップじゃないっすよ。

では、発進のお話を続けましょう。
車を動かすっていうのは、エンジンの回転をタイヤに伝達することだっていうのは、さっきお話したよね。
エンジンの回転をタイヤに伝達するための比率を決めるのがギアです。
さてここで問題。
物体を動かすとき、止まっている状態の物体を押して動かす、のと、動いている物体を押して動かす、のと、どっちが力が必要か、わかるかな?
ちょっと想像してみてくんろ。
はい、答えは、止まっている状態の物体を押す方が、力がより必要になるんですね。
シフト・レバーの項目のところでちらっと触れたけれども、ギアの中で一番力が強いのはどのギアかというと、、、、そう、ロー・ギア(1速)ですね。
と、いうことは、発進のときに使うギアは1速だよ、ということです。
従って、
ブレーキ・ペダルを踏み、クラッチ・ペダルをいっぱいに踏んで1速に入れ、ハンド・ブレーキを解除する。
ここまでは、いいかな?
そうしたら、エンジンの回転をタイヤに伝達する=クラッチ・ペダルを上げるんだけども、そのとき、タコ・メーターを見ながらクラッチ・ペダルを上げていってごらん。
どうだった?
そう、クラッチ・ペダルを上げていくと、アイドリングの回転数が下がってしまうところがあるでしょう?
エンジンの音もきいてごらん。
エンジンの回転数が下がると、音も鈍くなるでしょう?
車体も小刻みにガタガタと振動し始めているでしょう?
このままエンジンの回転数が下がっていくと、、、、、、、そう、回転数は0になる、エンジンが停止する。
これを防ぐにはどうすればいいかわかるかな?
さっきやったばっかりだからわかりますね。
そう、アクセル・ペダルを踏んで、エンジンの回転数を上げればいいわけだ。
どのくらい踏めばいいのか?
車体がガタガタと振動しない程度に踏めばよいのです。
これが発進のポイント1つめ。

さて、じゃあ、アクセル踏んでエンジンの回転数を上げた、ギアは1速入ってる、はい、クラッチを上げて回転を伝達しよう。
どうだった?
車はポーン、と飛び出したか、エンストしたか、どっちにしろガクガクッと大きく振動して不愉快きわまりない動きをしたでしょう?
そりゃそうだ。
何故なら、今までぴくりとも動いてなかったタイヤに、急にエンジンの回転を(それも千回転単位の回転を(^^; )伝達したんだもんね。
つまり、エンジンの回転数と、タイヤの回転数にとっても差があったから、ガクガクッときたんですね。
なにそんなことわざわざさせるなって?
いや、これは体験として体で覚えるために必要なことなんです。
だから、私は教習生にわざとここでエンストさせていました。
さて、ではどうすればいいのか。
ここでもう1度はじめからやってみましょう。
アクセルを踏んでエンジンの回転数を上げ、クラッチ・ペダルを上げていくと、、、、前を見ててごらん。
車がすーっと前に進み始める瞬間があるでしょう。
ここ
ここでクラッチ・ペダルを止めておいてごらん。
そうそう。
そうするとさ、段々車の速度が上がってきたでしょう?
これって、どういうことかわかる?
そうだね、タイヤの回転数が段々上がってきたってことなんだよね。
タイヤの回転数が上がってきたってことは?
そう、エンジンの回転数と、タイヤの回転数に差がなくなってきたってことなんだよね。
はい、クラッチ・ペダルを全部上げてエンジンとタイヤとつなげてもいいよ。
どうかな?
今度はガクガクッとこなかったでしょう?
さっきのクラッチ・ペダルを上げていって、車がすーっと動き始めた瞬間の位置、あれを、よーーーーくつかんでね。
あの位置は、同じ車種でも、車によって多少癖があって、高い位置にあったり、低い位置にあったりするから、よーく五感を使って見つけること。
あの位置でクラッチ・ペダルを止めている時間が短いと、エンジンの回転数とタイヤの回転数の差が埋まらないから、ガクッとくる。
もし発進のときにガクッとショックがきたら、クラッチ・ペダルを止めている時間が短かったんだなあ、と思ってください。
これが発進のポイント2つめ。

はい、まとめるよん。

  1. ブレーキ・ペダルを踏み、ギアを1速に入れ、ハンド・ブレーキを解除する。
  2. ブレーキ・ペダルを離し、アクセルを踏んでエンジンの回転数が下がらないようにする。
  3. クラッチ・ペダルを上げていって、車が動き出す瞬間にその位置でクラッチ・ペダルを止め、エンジンの回転数とタイヤの回転数が同じになるのを待つ。
  4. エンジンの回転数とタイヤの回転数が同じになったら、クラッチ・ペダルを完全に上げる。
発進完了。
発進のとき車体が小刻みにガタガタ震えるなら、アクセルの踏み加減が足りないのです。
発進のとき車体がガックンと揺れるなら、クラッチを止めている時間が足りないのです。
この2点が、どの車にも共通する発進のポイントです。





[発進はしたものの、、、この先どうすりゃいいの?]

うーん、そりゃ、止まるか走るかだよねえ。
止まり方は後でお話しますから、ここでは走り方をお話しましょう。

発進のところで、止まっている物体を動かすのは多くの力が必要だから、発進で使うギアは力持ちの1速を使うよ、という話をしましたよね。
では、ゆっくり動いている物体と、早く動いている物体とでは、動かすのにより多くの力を必要とするのはどっちだと思う?
そう、より力が必要なのは、ゆっくり動いているとき。
スピードが早くなってくれば、より少ない力ですむようになります。
で、1速が1番力が強く、その次に強いのは2速、その次に強いのが3速、、、てな具合です。
発進は最大の力が必要とされるので、1速を使う。
で、発進して走り始めたら、もう1速みたいな強い力は必要ないし、2速くらいの力でも充分動かせるので、2速に変えてやる。
更に、2速で走ってもっとスピードが出たら、もう2速みたいな強い力は必要ないし、3速くらいの力で充分動かせるから、3速に変える。
さて、今度はスピードが落ちてきたとします。
スピードが落ちたあと、遅い速度の車を動かしたり、もう1度加速したりするには、強い力のギアが必要になるので、ギアを落とす(シフト・ダウンする)。

具体的な操作方法は、、、、、

発進後、加速する。
エンジンとタイヤは連動していますから、アクセルを踏んでエンジンの回転数を上げればタイヤも加速します。
スピードが上がって、アクセルを踏んでも加速が頭打ちになってきたら、弱い力のギアでもOK状態なので、クラッチをスパッと踏んでエンジンとタイヤを切り離し、ギアを1速上げ(「1、2」のリズムでね)、クラッチを上げる。
発進のときにクラッチを止める話をしましたが、車が走っているときもやはりエンジンの回転数とタイヤの回転数の差があるときは、差が埋まるまでクラッチを同じところで止める必要があります。
ただ、発進の時ほど差が大きくないから、クラッチを止めなければならない時間は短くなります。
この時間も、五感でつかむこと。
ブレーキを踏んで減速した場合は、ギアを落とす(同じく「1、2」のリズムでね)。





[止めるのは自分しかいない]